スマートフォンや PC のベンダーは、デバイス上の生成型人工知能 (AI) に重点を移しています。ベンダーは、これまでクラウドに限定されていた推論ワークロードを処理できるチップセットの製造に多大なリソースを投入しています。
世界的な技術情報会社ABIリサーチによると、これによりこれらの業界でのAIチップセットの出荷と収益の成長が促進され、タブレットやゲーム機にも広がり、2030年には出荷数が13億個を超えることになるという。
「スマートフォン市場では、VivoやSamsungなどのOEMが異種AIチップセットの実装を開始し、自社デバイスに展開する生成AIアプリケーションに投資し始めています。一方、チップベンダーのQualcommやMediaTekは、アプリケーション開発を加速させるために、開発者および最適化ツールを宣伝しています」と、ABIリサーチの業界アナリスト、ポール・シェル氏は語った。
同じことが PC 市場にも当てはまり、AMD や Intel などのチップ ベンダーが PC 向けの異種 AI チップセットの出荷を開始し、OEM と Microsoft などの ISV が共同で最適化された AI ソフトウェアの構築に取り組んでいます。
「まだ非常に初期段階ではありますが、クラウド環境を超えて拡張できる低遅延でデータ非公開の AI アプリケーションの可能性にエコシステムのあらゆる分野が注目していることがわかります。」
CPU、GPU、NPU 間でワークロードを分散できる異種 AI チップセットは、生成型 AI やマルチモーダル AI など、今日の多様な AI ワークロードに対処するための非常に効果的なアーキテクチャであり、これらのシステムはデバイス市場全体で急速に採用されるでしょう。
PC におけるより要求の厳しいオンデバイス AI ワークロードは、Nvidia の RTX や AMD のハイエンド Radeon ハードウェアなどの GPU カードによって対処されます。これが、異種システムの外部に存在するこれらのチップセットが、今後も AI ミックスに残る理由です。
個人用および業務用デバイスに搭載されたオンデバイス AI がその潜在能力を発揮するには、Intel の AI PC Acceleration Program などのアプリケーション開発インセンティブや、Apple や Google などの専属ベンダーによる社内作業が実を結び、消費者や企業顧客にプレミアム価格を支払うよう説得する必要がある。
「ABIリサーチは、生産性向上AIアプリケーションがスマートフォン、ノートパソコン、デスクトップの更新サイクルを短縮し、タブレットやゲーム機のその他のAIアプリケーションも、需要の高まりをもたらす動機となると考えている」とシェル氏は述べた。